murakami Labo.

村上研究所

読んだ本のこと

公演の稽古のときにはあまり小説は読まないようにしている。芝居でその話の世界観に入っていかなくてはいけないのに、別の小説を読んじゃうと、なんか自分の芝居を汚しちゃうような気になるから。
これ、読んでました。

三国志 13 (潮漫画文庫)

三国志 13 (潮漫画文庫)

・・三国志赤壁の戦い編。舞台でやってたところです。
あとで観に来たお客さんのひとりから「孔明が風を呼ぶシーンは省略されてたけど、あそこが観たかった」というような内容のコメントを頂いて笑った。それやったらさらに長くなるから。
劇中では省略していた「関羽曹操にどんな借りがあったか」のシーンも、公演が終わってから読んで泣きましたね。関羽の良さはハートだ。
 

全然関係ないけど、ふとブルーバックスの本を読みたくなって、ちょっとづつ読んでた。脳が記憶するしくみを脳科学の言葉で説明しつつ、第6章では記憶のコツが紹介されている。
自分は一応大学で生物学を専攻しており、神経細胞の情報伝達のメカニズムはうっすら授業で聞いた覚えがあるけれど、改めて読むと面白い。大学のときはテストに出るというプレッシャーで聞いていたけど、この本の筆者さんは説明や例え話がうまいので、非常に楽しんで読めた。
基本的に神経細胞は生まれたばかりの赤ん坊が多く、あとは死滅する一方。という説明のあとに、「複雑な道路を覚えなければいけないタクシードライバーの脳の神経細胞は、一般の人に比べて多い。ある部分の神経細胞が増えることがわかった!」 というあたり、すげーなーと思いつつ読む。もしかしたら大学の授業でやってたんだろうか。これは全然覚えてなかった。
  
これは公演が終わってから読み終えた本。
中学生、高校生向けの脳科学の講義の記録だ。これも凄い。
人の脳はまだ大部分が使われていないということ。というのはよく知られているけれど、脳はものを覚える機能もあるけど、身体をコントロールする機能もある。
んで、生まれつき指が4本しかない人というのがたまにいるのだそうだ。そういう人は、指を動かすための神経が4本ぶんしかない。動かさなくてよいから。
そういう人に対して、1本の指を分けて5本指にする手術をする。
そうすると、1週間かそこらで、5本の指を動かすための神経が繋がりだす、とのことだ。
ということは、人の脳は使われていない部分がいっぱいあるから、実は腕が10本くらい生えててもそれをコントロールするだけの可能性が脳にあるということ。

トリップ (光文社文庫)

トリップ (光文社文庫)

 
好きな作家、角田光代さんの短編集。ちと重かったけど、後半にある「秋のひまわり」という話がいちばん良かった。いじめを受けている小学生が主人公で、少し重いんだけど、最後のせりふが泣かせる。感動のせりふって、ここだけ読んでもつまんないんだろうな、前振りで準備が積み重なってこの言葉になるからいいんだろうな、と思う。