murakami Labo.

村上研究所

稽古が始まった

先週火曜日からなのだが、トノチョ’の10月末の公演『宇宙にタッチ』の稽古が始まった。
私は出演しませんが、演出手伝いの立場で手伝っています。
それから12月に、私が出演する予定の公演があって、こちらも稽古が日曜から始まるはず。
こっちは公演が12月なのに、9月から稽古が週3回とか4回とか、けっこう稽古するのだ。
そして何故か知らんが、2劇団の稽古日程が2週間のうち1日しかバッティングしなかった。
これから12月までは延々と忙しくなるぜ。
我ながら語尾に「ぜ」は似合わないぜ。
 
米原万里著『打ちのめされるようなすごい本』で紹介されていた本から、読みたくなった本を読んでいこうとして、小説3冊、読んだ。
1冊目、恩田陸著『ドミノ』!

ドミノ (角川文庫)

ドミノ (角川文庫)

恩田陸、初めて読む。300ページ弱の小説で、登場人物が27人!(+1匹!) 複数の話が並行しながらも最後にはひとつに絡み合うパターンの小説はこれまで読んだことがあるけど、これはすげー。何重になってんだこれ! 27人もいたら覚えられないんじゃないの? という心配はご無用。全員のキャラがしっかり描かれているから大丈夫。これは映画になって欲しい。
 
2冊目、奥田英郎著『イン・ザ・プール』!

イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)

奥田英郎も初めて読んだ。中年でデブでマザコンで自己中の非モテ要素をすべて(!?)兼ね備えた精神科医、伊良部一郎を主人公とした連作短編集だ。精神科医とはいえ、患者を治す気があるのかどうかわからない。やたら患者にビタミン注射を打ちたがる。ケータイ依存症の高校生が来たら一緒に携帯メールに夢中になったり、女優を目指すコンパニオンと一緒に映画のオーディションを受けたり、行動がとにかくわがままというか無心というか。それでいて患者は結果的に次々と治っていく。素直に笑えて、楽しめる1冊。

3冊目、奥田英郎著『空中ブランコ』!

空中ブランコ

空中ブランコ

うーん面白い。精神科医、伊良部一郎シリーズの第2作。1作目より派手めな話が多かったけど、特に「義父のズラ」という短編がとても良い。権威ある大学病院の学部長を義父に持つ主人公が、義父の明らかにそれと分かるズラを大勢の人間の前で剥ぎ取りたい衝動にかられ、悩むというお話だ。そのばりばりの緊張感。
この本の最後の「女流作家」という短編の終わり方もすごく良かった。
 
という訳ですっかり奥田英郎のファンになってしまったのだった。