murakami Labo.

村上研究所

観劇の記録。夢のような時間を過ごした

芝居を観始めて、もう10年余りになりますが。
井上ひさしさんの舞台を本格的に観るようになったのはごくごく最近のことで。
生前にきちんと追いかけられなかったのは悔しいけれど、最近でも全く月1本くらいはどこかでやってますね。来月もあるし。
 
今日、紀伊国屋サザンシアターにて『キネマの天地』を観てきた。
夢のような一本だ。

最初から最後までめいっぱい面白い。上演時間約3時間(途中休憩15分あり)、一瞬も飽きなかった。刺激という意味では凄いことはあまりなくて(最後のどんでん返しはあるんだけど)、役者さんの声を聴いているのがただ穏やかに気持ちいいのだ。こんな体験は初めてだと思う。役者さん一人づつで観てもキャラクターが面白いし、それが掛け合いになってて全体でひとつの音楽になってるみたいだった。
お客として観ている私の側は、全然リラックスして「あはは」と笑っていられるのだけれど、あのテンポの良さは凄いよ。プロの役者の集中力は。一瞬でも間をはずしたら全部崩れてしまいそうな感じが裏にはあるんだと思うけど、お客としては全然観てて疲れないんですよ。
極上の料理は食べて食べていよいよ飽きないものであるらしいですが、今日観た舞台はそれに近かった。
 
日常のしんどいことや嫌なことを全部忘れちゃうんですよ。ベタな感想ですけど。
 
10月1日まで、紀伊国屋サザンシアターでやってます。