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村上研究所

『アニー・ホール』

もう一発ウディ・アレン監督の映画のネタで。
たぶん4月末か5月末までは毎週1本、ウディ・アレン監督の映画を1本観るのです。毎回それぞれの感想を書くのも日記としてどうかと思うので、今後は気が向いたときに書くことにします。
で『アニー・ホール』。2回観た。直球です。ウディ・アレン演じるアルヴィー・シンガーと、アニー・ホールダイアン・キートン)の出会いと別れの物語だ。監督の思いがストレートにこっちに伝わってくる映画に感じた。映画のなかの登場人物がたまにカメラに向かって観客に直接話し掛けてくる、という演出があるのだ。他にも少年時代のアルヴィーのシーンに大人のアルヴィーがいたり、変わった仕掛け的な遊びの演出がたくさんあるのだが、このこっちに話し掛けてくるのがいちばん面白かった。上っ面じゃなくて、どうしてもこれがやりたかったんだと思う。
「人生は悲惨な人生とみじめな人生、この2種類しかない」というようなせりふがあった。それを踏まえてこの物語。アルヴィーは神経質なコメディアン。アニー・ホールもやや神経質なところがある。この映画は時間軸にきっちり沿って進んでいく種のものではなくて、1回目に観たときは混乱した。ふたりが出会って、仲が良くなったり悪くなったり、全体でみたら仲がいいシーンよりも言い争っているシーンのほうが時間が長いように思った。それであのラスト。アルヴィーの書いた芝居の演出するところ。染みる。
自分が好きなのは台所で逃げたエビ(ロブスターみたいな、でかいやつ)を捕まえるシーンだ。あれは演技とは思えない!! アルヴィーはまじでびびってるし、ダイアン・キートンも生き生きしてる。お互いのキャラ、全開。