murakami Labo.

村上研究所

『食の本棚』『低線量放射線を超えて』

今月のはじめに衝動買いした本。

副題が「栄養満点おいしい人生を与えてくれる70冊」。食に関連する70冊の本のブックガイド。
著者は管理栄養士という方で、本の紹介のなかでも栄養士さん向けのアドバイスのようなメッセージが書かれているのだが、「食」というテーマなら広い! 栄養士向けの専門的な本から料理の本、小説までジャンルが広くて驚くのだ。この幅広いジャンルの本を読むという姿勢、見習いたい。まず1冊目として紹介されているのが『増補改訂版 家庭で語る食卓の放射能汚染』というもの。これから食のことを考えるうえで、やはり福島の影響のことは知っておく必要があるのだ。『家庭で語る〜』のほうはまだ読んでいないのだけれど、おそらくいたずらに危険性を煽るような本ではなくて、放射能の基礎知識が説明されている本なのだろう。
 
私は食べることは好きだし、何を食べるかというのは人生の大きな問題であり、食に関する本はしばらく追っかけていってよさそうなテーマだ。
 

 
低線量の放射線の身体への影響を説明した本。
友人から聞いた話なのだが、その方の知り合いの夫婦が柏市に住んでいて、子どもができて家を買ったあとに福島の事故が起き、柏市はいわゆるホットスポットといって放射線量が他より高いところだった。んで、奥さんのほうは不安で柏を離れたいのだけれど、家を買ってしまっていてかんたんには引っ越しできない。残念ながらその夫婦は離婚されてしまって、奥さんとお子さんが長野に住んでいるそうなのだ。若干心配しすぎのような気もするけど、もし自分がその立場になったときに何をどう説明するか、難しい。

別の本でも読んでいたのだが、人に影響のある放射線の量は「年間100ミリシーベルト」で、がんが発生する確率が「0.5%」上がるという。まずはこのラインが影響があると科学的に証明されているもので、それ以下についてはどう考えればよいか。
 
この本の著者の立場としては、結論を言うと「それほど怖がる必要はない」。むしろ必要以上に低線量の放射線を怖がって、野菜を食べなくなったり外に出ないで運動不足になってしまうほうが身体の免疫機能が弱くなって、がん以外の病気を誘発する危険性があるとのこと。この本では研究論文の1次資料に当たって調べた結果として書かれていて、私はこの著者の意見を支持したい。
 
とはいえ別の本で「危険です!」と訴える本を読んでみたら、また意見が変わるかも知れないのだ。よくよく数多くの本に当たってみなければ。